SABON-イスラエルの石鹸

イスラエルの石鹸の店「SABON」が、2億円を投資して大阪と新宿に店舗を増やすという記事があった。一年前に表参道店、そして4ヶ月前に六本木ヒルズ店がオープンしており、それに続く2店舗のオープンとなる。
SABONは、全て天然素材を使用し、「癒し」をコンセプトにした店で、イスラエルでは珍しく店構えに上品さと高級感を感じる作りになっている。実際には使ったことがないので、商品の良し悪しについての感想はないのだが、いつも店の中を覗いては、いつか使ってみたいと思っていた。バスケア・ボディーケア・フレグランスなど、どれも上品なよい香りで、店の近くを通るだけで、癒される気持ちになっていたのは確かである。
しかし、ガミラシークレットといいSABONといい、イスラエルの天然素材の石鹸はウケが良いようで、特産品の少ないイスラエルとしては非常に嬉しいことだ。記事によると、2015年までに、日本を含めアジア圏に40店舗を出店する予定らしく、なんとも景気の良い話である。ちなみに、現在イスラエルに30店舗、アメリカ・ヨーロッパ各地におよそ50店舗出店している。
イスラエルでは「SABON Shel PAAM」という名前で売っており、「SABON」とはヘブライ語の「石鹸」という意味で、「Shel Paam」とは「かつて(昔)の」という意味である。死海の成分を使っている製品もあるようなので、自然から奪うだけではなく、その利益を是非、死海の消滅を防ぐためにも使ってほしいものである。
 
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悲劇再び

 
(2009年 パイロット訓練終了式でのAsaf  と ペレス大統領)
Asaf Ramon(アサフ・ラモン)が、F16戦闘機の訓練中に追突して死んだ、と夕方のニュースを聞いて、すぐには誰のことかわからなかった。しかし、それが、あのイスラエル初の宇宙飛行士として2003年にコロンビア号と共に空に消えたIlan Ramon(イラン・ラモン) の息子と知って、あまりの衝撃に言葉をなくしてしまった。
 (イスラエル初の宇宙飛行士イラン・ラモン)
2003年、宇宙でのミッションを終えて、世界中が帰還を見守る中、父の乗るコロンビア号が光となって消えてしまった時、Asaf Ramon は16歳だった。それから6年たった今年、彼は父と同じく戦闘機パイロットとしての訓練を終え、彼の人生はこれからという矢先の悲劇となった。それも、父イラン・ラモンが乗っていたのと同じF16戦闘機と共に散るとは、あまりにも出来すぎで、あまりにもドラマ的過ぎる。
父の後を継いでパイロットとなり、そして、夢は父と同じ宇宙飛行士になることだったAsaf は、22歳の若さで彼の父と同じく空に散ってしまった。訓練中に何が起こったのかは正式に発表されていないが、パイロットの意識が無くなり(ブラックアウトし)墜落したと考えられている(高度に気をつけろの呼びかけに、Asaf から応答がなかった)。戦闘機パイロットとなることには多くの危険を伴う。しかし、なぜ再び Ramon 一家の、そして、息子が、そして、父と同じ戦闘機で、その若さで・・・と、残された母親の気持ちを思うと、やりきれない。
素晴らしい息子であったであろう、Asaf Ramon の冥福を祈りたい。
 
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有名コメディアンの死-Dudu Topaz

「視聴率の王様」と言われていたコメディアンが、今朝、留置所で首をつって死んだ。彼の名前は Dudu Topaz (ドゥドゥ・トパーズ)、コメディアンとしてTVホストとして、イスラエル国民に愛された人だった。
今年5月に、TV関係者への暴行を指示した主犯として逮捕され、その後すぐに彼は自殺を試みているが、未遂に終わっていた。なぜ、名誉も名声もある彼が、こんなことになってしまったのだろうか?それは「視聴率の王様」と言われていた彼が、TVという魔物に飲み込まれてしまったことから始まる。イスラエルの主要TV局の幹部3人が連続して何物かに暴行を受ける事件が起こり、その頃ラジオのホストをしていたDuduは 「TV関係者への暴行に、私は関係ない」と、奇妙なことを言い始める(暴行に関しては、まだ報道されていなかった)。そして、犯人が逮捕され、その犯人がDuduの隣人であり、「Duduに頼まれてやった」と供述をし、Duduの逮捕となったのである。逮捕後すぐに暴行を指示したことを認め、その後の報道では、何人ものTV関係者や別れた妻への暴行が計画されていた、と言われている。
40年のキャリアをもち、かつては「視聴率の王様」と言われていたDuduだが、最近は彼の番組もウケなくなり、彼が番組を持つことじたいがなかったのが現状だった。大量の睡眠薬や抗うつ剤などを服用していたとも言われ、精神的にも不安定なことがよくあったらしく、自分がTVに出れなくなったのは、TV局の幹部たちのせいだと思っていたらしい。現在のイスラエルのTVは、リアリティ番組ばかりが高視聴率をとり、かつてDuduが視聴率をとっていたような古き良き時代は過ぎ、ゴミのような使い捨ての番組がウケる時代となった。それは、米国でも日本でも同じことだと思う。
私がヘブライ語を習うためにウルパン(ヘブライ語学校)に通っている時、教室で教材としてみたビデオが彼のビデオだった。内容は、イスラエルに来たばかりでよくヘブライ語のわからないロシアの若い女性を、隣人のDuduが助けてやるというショート・コメディーで、まだヘブライ語が少ししか理解できなかった教室のみんなが、楽しんでヘブライ語を学ぶことができ、そして、みんなが隣人Dudu のファンになってしまうという良いビデオだった。それ以来、Dudu Topaz は私にとって忘れられない存在となり、TVで彼を見るたびに、ヘブライ語を一緒に勉強したウルパンの仲間のことを思い出させてくれる人だったのである。事件はどうであれ、そんな人気者だった彼が間違いを犯し、ワイドショーネタとしてTVに憔悴しきった顔を見せていることは、非常に心が痛む思いだった。TV界の頂点から奈落に落ちた彼は、やはり、死を選んで安らぎを求めたのだな・・・と、今朝の彼の自殺を聞いて、Dudu Topaz の苦しみの終焉を思い、彼の冥福を祈った。
 
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シモン・ペレス86歳

8/16日は、イスラエル大統領 シモン・ペレス の86歳の誕生日が祝われ、イスラエルのサッカー選手たちが大統領を訪れ、背番号「1」のユニフォームやボールをプレゼントし、歌手や有名人を招待しての盛大なコンサート・パーティも催された。
シモン・ペレスは政治家として60年のキャリアをもち、ノーベル平和賞も受賞してる。86歳の現在でも、イスラエル大統領として、精力的に世界中を飛び回り、イスラエルとパレスチナの和平のために尽力している人であり、イスラエルにとってはなくてはならない人物である。いつまでも・・・というわけには行かないが、出来る限り長く、健康に注意して、ひとつでも多くの言葉を私達に残してもらいたいと願うばかりだ。
シモン・ペレス大統領、86歳の誕生日 おめでとう
 
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テルアビブで同性愛者への乱射

週末のテルアビブで、同性愛者の集会をねらった乱射があり、2人が死亡、10名が重症を負うという事件があった。夏休みということもあって、多くの若者が集っており、同性愛者をねらった攻撃にイスラエル国内はショックを受けている。ネタニヤフ首相、ペレス大統領共に、同性愛者を標的とした今回の殺人事件に非難の意を表明し、また、もともと同性愛に反対である宗教党も同じく同性愛者を標的とする殺人を非難した。
そして、テルアビブでは同性愛者による行進が行われ、今回の殺人事件への悲しみを、”All together – without hatred and fear” and “Love – don’t kill” (「みんな一緒 - 憎悪と恐怖なく」「愛 - 殺さない」) とプラカードや旗などで表現した。

ユダヤ教の教義としては同性愛は否定されているので、エルサレムでのゲイパレードでは、毎回宗教派との対立があるが、テルアビブでは盛大にゲイパレードが行われている。今年もテルアビブ100年祭の一環で行われたばかりで(そんなテルアビブ さんのブログ参照)、非常に同性愛者にオープンな町だといえる。しかし、先日イスラエル軍で、同性愛者の指揮官を解任しなければ、予備兵として参加しない、と予備兵徴兵拒否をしている兵士たちがいることも報道されていた。
世界的にみても同性愛者に対する偏見は随分なくなってきていると思っていたが、それは日本人的な安直な見方だったのかもしれない、と今回の事件を通して感じ、早く犯人が捕まってくれることと、同性愛者への偏見と憎悪がなくなることを願うばかりである。
 
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「新世界の7不思議」最終候補に死海

死海が「新世界の七不思議」の最終候補の28箇所の一つとして選考された。非常に喜ばしいニュースである。もし選ばれれば、2011年より「新世界の七不思議」として、世界の重要な観光スポットとなる。
今回の最終選考では、パレスチナ自治政府がヨルダン・イスラエル・パレスチナの共同支援・援助に反発していたため、脱落するであろうと思われていたが、ぎりぎりでパレスチナの同意を得て、最終候補に残ることとなった。候補地を紹介する「New 7 Wonders of Nature Finalists」で、パレスチナ・イスラエル・ヨルダンの3つの名前がそろっていることを見るにつけても、喜ばしいと感じてしまう。
死海は海抜マイナス420メートルと、地上で最も低いところにあり、ヨルダンとイスラエルにまたがっている湖である。そして塩分濃度が30%もあるため、生物が生存することが出来きないことが「死の海」と呼ばれている所以であるが、現在では死海のミネラルを多く含むコスメチックやスパなどの死海リゾートが発達し、イスラエルにとっても重要な観光名所でもある。しかし、死海は流れ込む川もなく、乾燥地帯にあるため、また産業用水などで年々水位が低下しており、どうやって死海の消滅を防ぐかが、ヨルダンとイスラエル両国にとっての今後の課題にもなっている。
もし、最終的に2011年からの「新世界七不思議」に選ばれれば、世界の注目を浴びることになり、死海消滅を防ぐための対策、はたまた、パレスチナとの共存への一歩となるのではないだろうか・・・と、夢を馳せるのは私だけではないはずだ。今回の最終候補にはレバノンの 「Jeita Grotto」 も選ばれており、二つそろって七不思議になったら、さぞかし賑やかになるだろうと、密かにほくそ笑んでしまう。
以下は、28の最終候補から、私の選んだ「新世界七不思議」(行ってみたい、見てみたい所)である。
Dead Sea (死海)
Galapagos (ガラパゴス諸島)
Great Barrier Reef (グレートバリアリーフ)
Iguazu Falls (イグアスの滝)
Jeita Grotto (ジェイタ洞窟)
Matterhorn/Cervino (マッターホルン)
Uluru (ウルル/エアーズロック)
是非、皆さんも「死海」に投票を ⇒ http://www.vote7.com/n7w
 
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スパイスネーク

IDFによる高性能スパイロボットは、本物の蛇のように動きまわる。昔あった蛇のおもちゃを連想させるが、画像で見る限り、もし、これが茂みの中をうねっていたら本物と思ってしまうだろう。しかし、デカイ。

このスパイスネークは、小型カメラを内臓しあらゆる場所に入っていけると、IDFでは説明している。たとえば、ガザのハマスやレバノンのヒズボラの隠れトンネルなどの偵察に使うこともでき、また、地震などでの生存者探しにも活躍するかもしれない。そして、なんと自爆機能のおまけつきである。軍のおもちゃとしては、なかなか使えるのではないだろうか。
しかし、さすがお国がらというべきか、こういうスパイ道具は現実味を感じさせる。よく映画で見るような、びっくりするほどの未来型スパイ道具よりも、素人っぽさのある無骨な蛇のほうが、今日からでも活躍してくれるような気になる。その活躍の場が、戦場ではなく、人命救助に使われることが理想だが、イスラエルにとってはそうも行かない。もちろん、こうして報道されるものは、その正体を暴露しているだけに、軍のおもちゃとして一部の人を楽しませるものにしかならないが、このスパイスネークの報道の背後には、いったい何があるのだろう?と、スパイ大作戦さながら、いろいろと勘ぐってしまうのも、この国にいる醍醐味の一つなのかも知れない。
 
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デービスカップ準決勝進出

イスラエルは強豪ロシアを4‐1で破り、デービスカップ(男子国別対抗戦)準決勝へと駒を進めた。もちろん、イスラエル史上初の快挙であり、正直、ロシアに勝つとは夢にも思わないことであった。
初日のシングル2試合での Dudi Sela と Harel Levy の勝利で勢いづいたイスラエルは、二日目のダブルスにも勝利し、あっさりと準決勝入りを果たした。選手たちの期待以上の活躍は、集まった観衆をも熱狂させ、今までにないテニスでの盛り上がりを見せた。
今年から、会場がバスケットボールのスタジアムに設置され、イスラエル応援団で埋め尽くされたスタジアムは、さながらバスケットの試合を見るかのごとく大騒ぎとなり、鳴り物を鳴らし、奇声を上げ、とてもテニスの試合を見る観衆の応援とは程遠いものとなった。もちろん、熱烈な応援は選手たちにとっても力となるが、今回のイスラエル観衆は、相手のロシアの選手たちへの配慮を全く考えていなかったように見えた。ダブルスで接戦となったとき、ロシアのSafin 選手が観衆が静まるのを待っても、一向に観衆は静まろうとせず、逆にわざと集中力を欠かせるような非礼な行為をするのは、テニスが好きで見ている者にとっては、ゆるしがたい行為である。リポーターにインタビューされた有名人が「こうして相手チームを邪魔することで、イスラエルが勝てる」などと、スポーツ精神に反することを言っていたのには、さすがにイスラエル人の品格を疑わずにはいられなかった。

イスラエル国民にとって、サッカーとバスケットボール以外のスポーツにあまり関心がないのはわかるが、こうして、イスラエル選手の活躍でテニスが注目されるのであれば、それに伴って、応援する観衆も、それぞれのスポーツにあった応援の仕方を学ぶべきである。身勝手な相手選手を尊重しない応援は、イスラエル人としての品格を貶めるものであり、国民性の低レベルさを浮き彫りにしてしまう。
しかし、ともあれ準決勝は9月にスペインで、優勝候補のスペインとの対戦となる。熱狂した応援でイスラエル選手の活躍も期待したいが、まずは、お互いの選手を尊重した応援を心がけてほしいものである。
 
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茶色いイスラエル

先日、レゲヴの両親が10日間のオランダ旅行から帰ってきて一言・・・「帰ってきてガッカリ、空港に降りたとたんに風景が真ッ茶色なんだもの。」
明日から子供たちも夏休みが始まり、イスラエルの茶色い夏もにぎやかになる。雨が降らなくなってから2ヶ月たち、乾燥する大地に残る草木は少なく、また、砂漠からの熱風で埃っぽさは倍増し、節水も相伴いイスラエルはますます茶色さをましていく。イスラエルで冬と呼ばれる日が来て、雨がパラパラと降るのは、まだ3ヶ月も先のことである。
オランダ帰りのレゲヴの両親が、イスラエルの乾燥した風景を見て、肌で感じてガッカリする気持ちもわかるが、私は、このイスラエルの風景が大好きだ。荒々しくて甘くなく、素朴で、弱さを感じさせない強さを持っている、そんな風に私はイスラエルを感じてきた。乾燥する夏はどこもかしこも茶色い風景だが、川の流れるところには思いもかけない、緑豊かな花に囲まれた美しい景色が広がっている。そんな、美しさを知ってしまうと、茶色い大地さえも愛おしくなってくる。
育つ環境と個性、土地と人柄というのはよく出来ているもので、イスラエル人の個性がこの土地で培われているのは間違いないと思わずにはいられない。
 
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理想と現実

毎週金曜日、シャバット(安息日)の夕方には、レゲヴの親族が91歳のおじいちゃん宅で団欒する風景が見られる。孫家族・ひ孫まで集まると、多い時には30人近い人が一つの部屋に座り、しゃべり、お茶を飲み、そのときどきの話題に会話が弾み、騒音にも近いにぎやかさになる。日本では、団欒の席での政治話しはご法度の気配があるが、イスラエルでは政治・戦争抜きの会話を聞いたことがないほど、人が集まれば議論が始まりだす。
先日は、オバマ大統領のハエ殺しの話題から発展して、ガザの話しになった。レゲヴの叔父さんが「ガザへの侵攻は、完全なるイスラエルの失策だ。民間人を500人以上殺して、いったい何が変わったのか?事態は一向に好転していないし、状況に何ら変わりはないではないか!」と言えば、レゲヴの叔母さんは「あれは必然だった。今こうして南部にロケットが飛んでこないじゃない。話し合いというけれど、ガザには話し合いをすべき相手はいないわ。ハマスは人間ではないもの」と声を荒げ、レゲヴの24歳の弟は「世界の歴史を見てみろよ、勝者の国がどういう戦争をしてきたか。皆殺しにしなければ、勝てないんだよ」と、語った。
レゲヴの家族たちは全員が左派であり、イツハク・ラビンの時代にはおばあちゃんと叔父さんを筆頭に、ラビン支援の要となって和平への運動をした人々だと聞いている。今でも、ラビンが暗殺された1995年11月4日のステッカーがおじいちゃんの家には貼ってある。そんな家族の中から、「ハマスは人間じゃない」「皆殺ししなければならない」などという言葉を聞くことは、非常に悲しいことであった。なおかつ、叔母さんは小学校の教師であり、子供たちを導く立場の人にも関わらずである。レゲヴの弟はちょうど多感な時を、ラビン暗殺、第2次インティファーダ、自爆テロの恐怖の中で成長し、兵役を終えた若者である。部屋の中で極右的な発言をする二人に対して、反論していたのは叔父さんだけで、他の人はただ言葉をなくしてしまっていた。それは、本気としては受け取りがたい発言なので聞き流すということでもあったが、これが、今のイスラエルで主流となりつつある意見であり、左派であったレゲヴの家族の中でさえも露見してきているということに、私は今後のイスラエルを考えられずにはいられなかった。
先日、ネタニヤフ首相が演説を行い、ネタニヤフの政治家人生で初めて2国家共存の用意があるということを正式に発表した。それがオバマ大統領からの圧力にたいして、決して2国家共存に賛成していなかったネタニヤフが譲歩できるギリギリのラインであり、入植地問題に対しては、はっきりとした発言を避けたにも関わらず、リーベルマン外相は「われらが土地に入植して何が悪い」と、クリントン国務長官にメンツを切ってしまった。そんな、わが道しか行かないリーベルマン外相が、本音しか言わない政治家としてウケがいいのも、皮肉なものである。
レゲヴの家族の小さな集団においても見る事ができるように、オスロー合意からの17年の間にイスラエルの国民の意識は大きく変わってきている。そして、民族と宗教の混沌であるイスラエルは、ますます複雑さを増してきている。日本にいた時に購入した、岩波新書 「イスラエル」臼杵 陽 著 は、現在のイスラエルの状況を、政党の移り変わりと、民族の移民、宗教党の発展、多文化主義とシオニズムによるイスラエルの抱えるジレンマなど、比較的わかりやすく、今までにない角度からイスラエル問題が捉えられていて面白い。イスラエルという国は、ホロコーストを語ることなくしては語れないと思っていたが、ホロコーストを経験したのは欧米系のアシュケナジーだけで、建国後に移民してきたアラブ諸国系(ミズラヒーム)や北アフリカ系(スファラディーム)の移民は、ホロコーストを経験していない民族たちであり、イスラエル建国によるアラブ諸国との戦争によって、移民せざるえなかった。という盲点を著書で再認識させられ、改めて、複雑な民族国家イスラエルの現状を考えさせられることになった。
 
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