イスラエル人ボランティア

ボランティアの中に、イスラエル人がいる。
彼はエルサレムから来た19歳の若者で、あと数ヶ月後に兵役に就く。
どうしてボランティアをしているのかと聞いたところ、
「自分はエルサレムで生まれ育って、自然の中で暮らしたことがない。
だから、一度自然に囲まれて生活をしてみたかった。
それに、エルサレムは何かと騒々しいし、静かな環境に居てみたいんだ。」
と、言うことだった。
彼はイスラエルの中でも、裕福な家庭の出身らしく、都会っ子である。
キブツで生活している人々とは違う自由という意味で、
望むなら全てを手にすることができる社会、いわゆる普通の社会生活をしてきた子だ。
やはりボランティアとしては、異色である。
勿論、仕事も条件もボランティアとはなんら変わりはない。
ただ、部屋にはステレオがあり、携帯を持ち、週末は家に帰ることもできる。
そして、キブツにホストファミリーを持ち、言葉を自由に操り(当然だけど)、
なんと言っても、普通のボランティアの不自由さとは違う。
イスラエルの海軍に入隊することが決まっており、何かと詳しい話を聞かせてくれる。
海軍への入隊は厳しい試験を受けて決まるらしく、いわゆるエリートというわけだ。
入隊後はこれまた厳しい訓練をし、2年後には強靭な肉体と精神が備わるらしい。
なかなか聞くことのできない話を教えてくれる。

「これから、爆弾の作り方を覚えなくちゃならないよ。
爆弾の作り方なんか覚えたくもないけど、指揮官のテストがあるから仕方ないさ」
「友達が入隊して一年後にアラブに撃たれて死んだよ」

18歳からの兵役の義務。男は3年。女は2年。
最近は女性も、最も危険だといわれる前線で機関銃を構え、待機するらしい。
どの人から聞いても、兵役中は生きている気持ちがしなかったという。
最悪な期間だったという。
こうして、友人となった彼がとにかく危険に遭わず、無事6年の兵役を終えてほしいと願う。
6年後の彼は、きっと違うだろう。(海軍の場合6年となる)
一番人生において、若さと自由を満喫できる時に兵役に就かなければならない彼らを、
気の毒に思う。そしてまた羨ましくも思う。
自らの意思でないにしても、肉体を、精神を鍛え上げ、強くたくましくなっていく。
日本の若者とは比べ物にならないことは、想像にやさしいはずだ。
兵役が良しとは決して思わない。
ただ、これから海軍へ行くという彼から、なにか秘めた熱いものを感じずにはいられない。

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