9.11

誰もが、あの映像に釘付けだったはずだ。
炎上するツインタワー、激突する旅客機。
その時確かに世界中の人々の目は一つになった。
私はその時ドイツにいた。イスラエルにいなかったことを、あれほど悔やんだことはない。
イスラエルも封鎖され、確かな情報がないまま成り行きを見守ることしかできない自分が、
ちっぽけな存在と化し、祈ることしかできなかった。

「どうか、これ以上の惨劇が起こらないように。
どうか、イスラエルに戻ることができるように・・・お願い。」
ドイツの友人とは、アラブの論理について白熱した議論を交わしていた。
今回のハイジャックテロについては、あまりにも疑問が多すぎた。
そして、あまりにもうまくいきすぎだった。
友人は学生アパートに住んでおり、その内の一人がイランからの留学生だった。
彼はテロがあった時、

「当然の成り行きだ。これでアメリカもやられる側の気持ちがわかるだろう」
と、言った。
ドイツの友人はエジプト人の彼氏がおり、その彼氏もまた

「とても嬉しいよ。アメリカもパレスチナ人の気持ちがこれで分かるだろう」
と、誇らしげに言ったそうだ。

私達は、ショックが大きく、起こった事実と人々の反応にとても傷ついていた。
何度となく友人と今後の成り行きについて意見を交わしたが、
気持ちが激怒するばかりで抑えることができなかった。
全てのアラブ人が悪いのではない、しかし、複雑な気持ちを抱き始めたのは事実だ。
聖戦、なんて古めかしい考えを理解することはできない。
己の信条のために、見せしめを行うためだけに、
あれほどの人々を殺していいはずがない。
血で血を洗うことのみが、正義ではない。
怒りが、苦しみが、悲しみが、心のそこから湧いてくる。
祈ることしかできない。強く願うことしかできない。

「どうか、平和でありますように、人々が悲しまないように」

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