ラケフェット

このキブツには野生のシクラメンが群生している。
植木蜂に入っている大ぶりなシクラメンと違って、小さく可憐な姿をしている。
初めて見つけたときは、その場から移動することができないほど見いてしまった。
岩場の陰に一輪、または固まって密かに咲いている。

ヘブライ語では「ラケフェット」と言う。
なぜ、頭を垂れて悲しい姿をしているかと言うと、そこには言い伝えがあるそうだ。
このシクラメンは平和の象徴で、イスラエルの地の争いを憂いて、悲しんでいるという。
そして、平和がきたとき、シクラメンの頭は上を向くという。
私の友人は、子供の頃、エジプトとイスラエルが和平協定を結んだ時、
シクラメンが上を向くのをじっと待ったそうだ。
しかし、それは起きなかった。

私はシクラメンの姿を悲しいと思ったことはない。
特に野生のシクラメンを見た時には、
その凛とした姿に潔さを感じ、背筋がぴんと張る思いがした。
言い伝えのように、いつか本当の平和がこの国に訪れた時、
全ての「ラケフェット」が上を向いたら、どんなに素晴らしいだろう。

広告

コメントを残す

コメントを投稿するには、以下のいずれかでログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中