ウエスト・バンク・ストーリー

West Bank Story

イスラエルがユダヤ暦の新年を迎えた。
 新年の晩は、どの家族も新年を祝い、良き、平和な年であるように願った。
 TVでは、多くの新年を祝う番組の中、2006年
オスカー短編(実写)映画賞を受賞した、
 「ウェスト・バンク・ストーリー;West Bank Story」が放送された。
 監督は、イスラエル人を父親に持つアリ・サンデル(Ari Sandel )。
 作品名からもわかるように、「ウェスト・サイド・ストーリー」のパロディー版だ。
 もちろんこちらでも話題になった作品で、私も見たいと思っていた作品だった。
 賛否両論あるが、私はこの作品に非常に好感がもてた。
 
 舞台は、西岸のとあるユダヤ人入植地。
 パレスチナ人経営のフムス店と、ユダヤ人経営のファーストフード店が、
肩を並べて店を開いている。
 そして、フムス店のレジ係のファティマと、イスラエル兵士のデイビッドが恋に落ち、
 歌あり、踊りあり、ドタバタ劇ありで、両者のいがみあいを、面白おかしくパロディっている。
 最後はパレスチナ・イスラエル両者が、力を合わせ、禁じられた愛も何のその・・・
 という、夢のような話だ。
 
 ドバイでの鑑賞会では、『問題を矮小化』として、批判もあったが、拍手喝采もあった。
 あるパレスチナ人女性は、『面白かった、笑ってもいいじゃないか』と賛同。
 私は、このパレスチナ人女性の意見に賛同する。そして、そう言える彼女がすばらしいと思う。
 第三者の目から見れば、
 「パレスチナ・イスラエル問題を非現実的にとらえており、ふざけている」と思うかも知れない。
 しかし、実際の環境におかれている人々にしてみれば、
 「先の見えない争いを、ほんの少しでも、笑い飛ばすことができたら、それでいい」
と思っている。 それは、私が実感することでもある。
 
 平和だ、和平交渉だと、空回りすることばかりの、口先ばかりのことだらけで、
 実際の和平など、存在していない現実のなかで、
 イスラエル側の愚行を笑い(作品では、ユダヤ人が店の間に壁を作ろうとする)、
 パレスチナ側の愚行を笑う(商品名が自爆パイなど)。
 それで、いいのだと思う。
 非現実的な、両者の和解を夢見て、何が悪いのだ。
 中東和平の問題を笑うことができるのは、当事者だけなのだ。
 本当の苦しさを知っているからこそ、苦しさの中にほんの小さな安らぎを見つけたいのだ。
 
 短編作品なので、多くの人の目に触れることができないのが、非常に残念だが、
 中東問題の作品がパロディーであっても、オスカーを受賞し、
人々の眼に触れる機会が増えるのは、 とても喜ばしいことだと思う。
 
 West Bank Story
 http://www.westbankstory.com/

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ウエスト・バンク・ストーリー」への1件のフィードバック

  1. (管理人様不適切であれば削除ください)

    横浜みなとみらいにあります、ブリリアショートショートシアターです。
    海外のショートフィルムを専門に紹介している、日本でも唯一の珍しい映画館です。

    来年1月から2週間「ウエスト・バンク・ストーリー」を
    ブリリアショートショートシアターにて上映いたします!
    ぜひ、この機会にお誘い合わせの上ご来場ください。
    お待ちしております。

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