先日、レゲブに、イスラエル軍から名誉バッジが届いた。
これは、2006年の第二次レバノン戦争に参加した兵士全員に送られるもので、
国を守るために戦った兵士への勲章のようなものだ。
幸いにもレゲブは戦線に行くことはなく、国境警備をしていたので、
5週間の徴兵期間は、友人の兵士達との交流となり、それほど危険にあわずにすんだ。
始めてもらう戦争参加のバッジを見ながら、レゲブと私はそのときのことを語り合い、
レゲブにバッジをつけさせたり、二人で笑って時を過ごしたが、
このバッジをもらっても、笑えない人々が多くいることだろうと思う。
あの戦争は、明らかに無意味な戦争だった。
その無意味な戦争に、多くの命が奪われた。
兵士にとって、これらのバッジは名誉であり、勲章だ。
レゲブは、ほかに二つのバッジを持っている。
一つは、パラシュート部隊の証である、翼とパラシュート。
もう一つは、彼のユニットのシンボルである、剣と翼。
そこに、もう一つ、兵士として戦争に参加した名誉が与えられた。
レゲブは笑って、
「こんなもの名誉でも何でもない、ク*みたいなもんだ。」
というが、やはり、名誉だと私は思う。
約6割の兵士は、逃げて、雲隠れし、徴兵逃れをしていた。
実際、レゲブの弟も、徴兵逃れをして、逃げていた。
私もその当時、レゲブに徴兵に行かないでほしい、とたのんだが、
レゲブは
「誰かがやらなくてはいけない」
といって、子供のいる弟には徴兵に来ないで、隠れていろといい、自分は参加した。
もうすぐ、5月7日に戦死者追悼記念日を迎える。
イスラエルは建国60年の祭典を目前に、この国のために戦い命を落とした兵士達を弔う。
無意味なものなど、ないのかも知れない。
何を得ることもない馬鹿げた戦争でも、一人ひとりの兵士達は守るものがあるから戦うのだ。
レゲブには、それを誇りに思ってほしい。
戦死した人々の冥福を祈り、そして、レバノンに拉致された3人の兵士の帰還を祈りたい。