イスラエル音楽の遍歴(2-1):軍隊の音楽

イスラエルには、男子は18歳から3年間、女子は2年間の徴兵がある。そして、若い兵士達の娯楽として、軍隊には楽団があり、ミュージカルがある。60年代後半から、70年代にかけては、軍隊楽団の最盛期であり、現在活躍している大御所の歌手達は、みなこの軍隊楽団の出身者である。若い兵士達は、軍服を着て歌って踊る、スター(その当時のアイドル)をみて、訓練の辛さを忘れ、愛国心を養い、家族を思っていたのだろう。楽団はナハル・北部・中央・南部・海軍、と別れて活動して兵士達を慰問している。その中から、有名な歌を紹介しよう。

 

 
「ラック べイスラエル」(海軍)
” להקת חיל הים -רק בישראל”  (“Only in the Israel”)

”予備兵はイスラエルだけ、ボランティアが楽しむのはイスラエルだけ、・・・・・・・・・・キブツもモシャブもイスラエルだけ、黄金のエルサレムもイスラエルだけ・・・・戦闘員もパイロットもイスラエルだけ、パブが早く閉まるのもイスラエルだけ・・・・”と歌うこの歌、”イスラエルだけ”というのは”特別・無二の”を意味しており、イスラエルは全て特別という事を歌っている。今は大御所のShlomo Artziも、ここから始まっているのである。

 

 

「エレツ イスラエル ヤッファ」(南部)
“להקת פיקוד דרום – ארץ ישראל יפה” (“Israel is beautiful”)

美しい女性達が軍服を着て、美しく歌っている姿に、きっと兵士達は癒されたのだろう。もちろん、彼女たちは彼らのアイドル。”イスラエルは美しく、咲き誇る・・・・”と、清楚に美しく歌っている。

 

 

「カルナバル バナハル」(ナハル)
“להקת הנחל – קרנבל בנחל” (Carnival in the Nahal)

最後に軍の広報活動のような歌を一つ。義務でなければ誰が好き好んで、18歳という若さで軍隊に入るだろうか?この歌は、”陸軍は毎日カーニバル、ここに来ない人はかわいそうだ”と、動物園の中で、楽しそうに、いかにも毎日がパーティーのように歌っている。コメディータッチで、バンドと一緒に女の子と踊っているが、私は、軍隊では「檻の中で、動物のように扱われる」という皮肉なのかと思ってしまった。もっとも、現在は多くの若者が徴兵拒否をし、本当の檻に入れられることもあるのだが・・・

 

時代は変わり、かつてのスター養成所だった軍隊の楽団は、今ではさびしいものであるが、
当時は彼らが、そして歌が、兵士達の心の支えだったことは間違いない。
次回は、「軍隊の音楽」の続きで、「戦争の歌の女王達」を紹介する。

広告

コメントを残す

コメントを投稿するには、以下のいずれかでログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中