ヘブロン情勢

西岸ヘブロンで、また揉め事が始まった。狂信的な入植者の一家族が、許可なくヘブロンに家を購入し、住み始め、パレスチナ住民と問題を起こしている。

ヘブロンは旧約聖書によると、アブラハムが初めて購入した土地であり、マクベラの洞穴と呼ばれる洞穴がある。そこには、アブラハム他5人が埋葬されているといわれている。そのため、ユダヤ教徒にとっても、また、イスラム教徒にとっても重要な聖地とされているのである。
16年前に、このマクベラの洞穴に行ったことがあるのだが、正直、あまり記憶にない。ただヘブロンのごちゃごちゃした街並みと、車のナンバープレートの色がここでは違うのだ、とガイドから説明を受けたことを覚えているだけだ。まだ、イスラエルについて何も知らない時だったので、何のために、パレスチナ人とイスラエル人のナンバープレートの色を変える必要があるのかさえ、よくわからなかった。

現在ヘブロンには、16万7千人のパレスチナ人と、およそ500人の狂信的なユダヤ人入植者が住んでいる。1997年のヘブロン合意で、ヘブロンは、ユダヤ人入植者の住む地域(H2)だけを残して、パレスチナへ権限が移行されたのだが、数百人のユダヤ人入植者を警護するために、H2地区はイスラエル軍の管理下に置かれたままであり、そこに住むパレスチナ住民との対立は近年、激しさを増してきていた。ヘブロン合意後のユダヤ人入植者の住む地域は、各地にイスラエル軍によるセキュリティーポイントがあり、そこに住むパレスチナ住民にとっては、不自由きわまりないものである。そのため、ユダヤ人入植者に対する不満は募るばかりで、対立はやむことなく、種火がいつ爆発するか・・・という、常時緊張状態であった。

 
そんな中、今回問題のユダヤ人家族は、どういったルートからか、ヘブロンに家を購入し、住み始めた。ヘブロンに住むには、イスラエル国防大臣の許可がなければ住めないのだが、このユダヤ人家族は、許可も取らずにすみ始めたため、周辺のパレスチナ住民との対立が始まっていた。しかし昨日、裁判所から、不法による入植として、退去勧告が出されたのだが、ユダヤ人家族は退去勧告に同意せず、近日中に軍が強制退去をする予定になっている。狂信的なユダヤ人達がこの家族を応援に駆けつけ、不満のたまっているパレスチナ人達が押し寄せ、軍による強制退去が実行される予定・・・の今のヘブロンは一触即発の状態である。

ユダヤ人家族が、素直に退去すれば、事なきを得るが、彼らもすでに家を購入している以上、簡単には動かないだろう。こういった狂信的なユダヤ人たちのすることは、パレスチナ人のみならず、常識的なイスラエル人にとっても、腹の立つことであり、くだらない狂信者のために、若い兵士が傷つくことだけはないように願いたい。

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