犬と戦争

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戦争は人間だけにとって辛いものではない。犬や猫、その地域に生息している野生動物にとっても、辛いものである。連日鳴り響く警報サイレン、轟音を残して飛び立つ戦闘機、大地を轟く大砲の音。五感の鋭い動物たちは、人間の数倍の衝撃を感じている。

2006年の第二次レバノン戦争は、私にとっても愛犬タマにとっても、はじめての戦争体験となった。24時間鳴り止むことのない大地を揺るがす大砲の音、真夜中に轟音で飛ぶ戦闘機、機関銃の音、突然のサイレン音。私は耳栓をして何とか睡眠時間を作ることができたが、愛犬タマに耳栓をすることも出来ず、タマは四六時中ベットの下に隠れて1ヶ月半を過ごすこととなった。
食欲もなくなり、目はうつろになり、しっぽは下がったままになり、大砲の音のたびに体を震わせていたタマを、いつも抱きしめていた。ほんのつかの間の静けさをねらっては、無理やりタマを散歩に連れ出す日々を送った。レゲヴは予備兵としてすぐに兵役についたので、レゲヴの帰りを待つと共に、タマを守る気持ちも強かったことを覚えている。
この戦争では北部一帯から多くの住民が避難したため、ペットの犬や猫が置き去りにされ、捨てられ、ロケット弾による火災で、多くの野生動物も死んでいった。

確かに、人の命が危ない中、ペットのことなど気にしていられない気持ちはわかるが、置き去りにされ、捨てられたのこともわからずに、飼い主が来る日を震えながら、食料もなく、爆弾の中で待ち続けて死んでいく動物たちのことを考えると、不憫でならない。
同じことが、ガザとの紛争で起きている。イスラエル側は、前回の戦争のような、ほぼ全住民が避難するような状況ではないため、インターネットなどを介して、避難する人々のために犬や猫の受け入れ場所などを紹介したり、どうやって怯える犬や猫の世話をしたらいいのか、というようなアドバイスを紹介している。要は子供と同じ接し方で、ひとりぼっちにはさせず、いつも一緒にいてあげて、多くスキンシップを取って安心させてあげる、ということ。

前回の戦争から2年半経過したが、今でもタマはサイレン・アナウンス・ヘリコプター・爆音らしき音などを聞くと、一目散にベットの下へ駆け込んでいく。多くの人が死んでいるのに、犬の心配をするのは不謹慎かもしれないが、人間の愚かな行為が、動物たちも苦しめていることを知ってもらいたいだけである。

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犬と戦争」への2件のフィードバック

  1. 命の重さ:母親と犬がおぼれていたら、やっぱり先に母親を助けます。その時に犬が犠牲になっても。でもやっぱり辛いです。ただ家で飼われている動物はペットです、何もできません。人命が先と言っても私も動物を飼っているのでKeikoさんの気持はわかります。

    北部一帯から多くの住民が避難したため、ペットの犬や猫が置き去りにされ、捨てられ、ロケット弾による火災で、多くの野生動物も死んでいった。

    当時私もその話を聞いています、それでもボランティアの人が懸命に助けているとも聞きました。

    その後、日本での地震災害があるたびに動物たちのことを思います。日本でもそんなボランティアの方がいますが、それでもまだまだイスラエル人のような考え方を持っている人は少ないと感じています。

    私も犬を飼っているので非常に気になります。、また有事のことを思ったら家でトイレをしつけるということも必要なのかなとも考えます。

    「人間の愚かな行為」私もそんな愚かな一人だから戦争、紛争ことを目にする、耳にするとせつなくなり涙が出てきます。

    • 本当に、そうですね。どっちも助ける!なんて都合のよいこと言えませんよね。今回は前回のレベノンからの経験で、早めに行政やボランティアが活動し、ペットへの配慮もしているようなので、少しでも戦争孤児犬や猫が、出ないことを願うばかりです。いつになったら、人間の愚かな行為は終わるのでしょうかね。自分も含め、虚しくなるばかりです。

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