村上春樹の「僕はなぜエルサレムに行ったのか」

村上春樹氏の独占インタビューが、文芸春秋の4月号に掲載されていることをYnet で知りました。村上氏が「なぜエルサレムに行ったのか」、知りたいところです。

Ynetの記事と、他の方のブログを読むには、随分と村上氏に葛藤があったことが伺え、本人も日本を発つときは孤立無援の気分だったといっているくらいですから、よほどの覚悟を持って受賞式に来たようです。インタビューを受ける時の固い表情が、今になって納得できます。それだけ村上氏にとっては、イスラエル批判も含め、受賞式でスピーチすることが作家として重要だと感じたのでしょう。そして、それは正しい行為だったと思います。

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抜粋した記事しか読むことは出来ませんが、村上氏がシモン・ペレス大統領の態度を残念に思ったようなことが書いてありました。

「スピーチ前には和やかに会話をしていたペレス大統領の顔が、スピーチが進むにつれて強張った表情になり、スタンディング・オベーションでもなかなか立ち上がろうとしなかった。しかし、エルサレム市長からは、小説家として実に誠実な意見だと絶賛され、握手を求められた」

ペレス大統領にとっては、明言はせずともイスラエル批判をたっぷりと含んでいるスピーチに、大手を振って賞賛することも出来ないでしょう。そうなることを覚悟の上でスピーチをしたのですから、村上氏が残念に思うこともないはずです。そして、村上氏の言うように、いろいろな考えをもったいろいろな人に出会えたことが収穫なのです。現に、Ynetで紹介された文芸春秋での村上氏のインタビュー記事に対しても賛否両論で、日本人は反ユダヤ主義なのかという人もいれば、村上氏が正しいという人もあり、いろいろです。

村上氏の言うように、この国は白か黒か、どちらが正しいか正しくないかということでは割り切れない国です。多くの局面が複雑に絡み合って、解けることが出来ません。イスラエルとパレスチナの報復合戦は永遠に続くジレンマであり、ここにいる人々は生きていくために、戦わなくてはなりません。それが、ショアーからくるユダヤ人にとってのトラウマであろうとも、これがイスラエルと言う国に住む人々の根本なのです。

インタビュー記事の全文を読みたいものですが、残念です。すでに読んだ方がインタビューの抜粋や意見を書いているので、参考にしてください。
僕はなぜエルサレムに行ったのか 村上春樹独占インタビューat文藝春秋 〔book review〕

村上春樹独占インタビュー「僕はなぜイスラエルに行ったのか」を読んで

 

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村上春樹の「僕はなぜエルサレムに行ったのか」」への6件のフィードバック

  1. 私もこのお題でBlog書かせてもらますよ。
    しかし、Ynetのヘブライ語版のコメントはさすがに多いですよね。日本人は反ユダヤ主義、思う人もいるはずですよ、だってこの国の人も日本に行ったこともない、日本がどこにあるのかわからない人もまだいるでしょう。イスラエルがどこに位置しているのかわからない日本人がいるように。しょせん地図の上では端っこにある小さな国ですもの。

    作家に何を求めているのか?そこがよくわかりません。ガザのこともあって多くの(日本)人が今回の受賞に興味を持ちました。それがなかったら小さかったと思います。私はNGOその他のプレッシャーがない状態のスピーチを聞きたかった。

    約5年イスラエルにいる私だって良く分からないことが多いのに、イスラエルの悪いことを聞かされて初めてイスラエルに来た人がどのように感じるのか、私が村上氏だったら同じ気持ちだったでしょう。

    作家に物事を言って欲しいなら、そう思っている人がそういう意見を言えるだけの人物になりなさい!! ハタミの見学ですよ。

    • このYnetの記事を書いた人は、文藝春秋のインタビューのどれほどを読んで理解したのか疑問ですが、どうも、一部分を引用して村上春樹はイスラエル批判をしていると、強く村上氏を批判をしているように感じます。作家をよく知らない人は、この記事のコメントに、村上氏に対する強い批判や、日本人に対する批判までしています。日本語から英語、またはヘブライ語への翻訳によって、意味の取りかたも随分と変わるものですね。

      文藝春秋の全文を読んでみないことには、村上氏が感じたことを正確に理解することはできませんが、村上氏が見て感じたものも、本当のイスラエルの一つなのですよね。でも、その一つは10の側面があるということも、村上氏に語ってほしいところでした。このYnet の記事でイスラエルから村上ファンが減ることのないよう、祈りたい気持ちです。

  2. keikoさんはじめまして。NO Second Lifeを書いております、ttachiと申します。イスラエルにお住まいなのですね。

    私のブログにリンクを張っていただき、ありがとうございます。

    村上春樹がペレス大統領に対して「残念」と言っているのは、エルサレム賞の授賞式というおめでたい席であるにもかかわらず、大統領の表情がこわばるような内容のスピーチを自分がせざるを得なかったという状況に対して感じている、ということのようです。

    村上春樹のスピーチは日本では、どうも偏った形でメディアには捉えられてしまったようです。必要以上に反・イスラエルという形で報じるメディアが多いような気がしますが、彼が言っているのはユダヤかパレスチナかではなく、弱い個を攻撃する強靭なシステムという構図なのだと思うのですが、やはり日本から見てもイスラエルは遠く、私も含め正しく理解することが難しい問題なのかもしれません。

    これからもどうぞよろしくお願いします。これをご縁にブログも登録させていただいたので、ちょくちょく読ませていただきたいと思います。

    • ttachiさん、コメントありがとうございます。

      イスラエルでの記事では、ただ、村上氏がインタビューで厳しくイスラエル批判をしているということが書かれていて、読んでもどうしても納得がいかなかったんです。文藝春秋を読むことが出来ないので、ttachiさんのプログには本当に感謝の気持ちです。ペレス大統領に対しても、やはり、そういう意味での残念だったのですね。抜粋だけを読んでいると、どうも、間違った方向へ理解してしまったようです。でも、これで安心しました。村上氏がただイスラエルを批判するだけのために受賞式に出席したとは思えなかったのです。

      イスラエルのYnetでの記事では、こういった微妙な意味合いを伝えてはおらず、スピーチが日本で偏った報道をされたように、こちらでも村上氏のインタビューは相当偏った取り方をされたようです。本当に残念なことです。でも、ttachiさんのように、真実の眼を持って冷静にイスラエルとパレスチナの問題を見る人がいてくれて、本当にうれしいです。

      こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

  3. keikoさん。私も訳しながら、、え?村上氏はそんなにイスラエルを批判してたの?っと思いました。母がきっと買っていると思うので送ってもらおうと思っている。スピーチで言ったことは嘘だったの? っと思いました。日本人の私でさえそう思えたんですから文芸春秋を読んでいないイスラエル人はびっくりですね。

    Keikoさん、私はヘブライ語読めても意味がわからない。だからどうしても英語版を読みます。ヘブライ語版と英語版って違いますか? 日本の大手の新聞もネット上で英語版がありますがやはり省略している部分も多いです。

    私は彼がどんなことを言ったにしても、自分の英語(言葉)で語ってくれたことが一番うれしい。日本語でも表現できますが、それが英語=>ヘブライ語となった時に微妙な表現が抜けてしまう。日本もやっと世界に通用する言葉で世界に出てくれた人がいる、たからですね!!

    • 私のヘブライ語の理解力もたいしたことないのですが、英語版にはペレス大統領の話がないし、細かい話が省いてありますね。この記事を書いた記者が、日本語を読めるとは思えないけど、随分と偏った理解の仕方をしているようです。本当に、メディアは恐いなと、こういう記事を読むと思います。世界に共通する言葉で、自分の意見を述べることが出来る村上春樹は、やはり、すごい作家だと、改めて感心してしまいました。私もチャンスがあったら、文藝春秋を読んでみます。

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