イスラエルの検閲制度

 (Anat Kamm)

昨日の夕方あるTV番組の冒頭で番組ホストが「世界中がイスラエルのスキャンダルを知っているのに、イスラエル人だけには知らせることができない事実がある。検閲によって報道することも語ることもできない」と始まり、これによってこの「事実」が何であるのかが注目を集めている。

その事実とは、イスラエル人ジャーナリストのAnat Kamm が、軍事機密をリークし告発しようとしたために逮捕され、また情報を持っているジャーナリスト Uri Blau もイギリスへ逃亡中ということ。そして、その軍事機密とは、2007年ガザでのパレスチナ幹部の暗殺にかかわることで、IDFによる違法な暗殺行為が示されているらしい。というのが、大まかな「イスラエル国内では報道できない事実」なのだが、もう少し詳しく言うと、Anat は当時兵役中で、そのときに機密文書をコピーして持ち出していた事が軍法規に違反するので逮捕され、14年の懲役になるという。(過去に軍事機密をリークして話題になったのが、Mordechai Vanunu )

昨日からの「内容は言えないが、何かが起こっている」という奇妙な報道によって、イスラエルの言論統制(The gag order)がどういうものなのか知ったが、インターネットで世界中の情報を得ることができる今日、この言論統制も意味がないように思える。昨晩のTV番組のホストは、検閲によって核心はいえないが、オブラートに包んで私たちにインターネットで調べるようにと促した。

ざっと調べただけでも、Anat Kamm に関する記事はネットで簡単に見つけることができ、Anat を擁護する動きも出てきている。より明細な事実が流れるのも時間の問題だろう。ともあれ、昨晩から始まった一連の奇妙な報道は、イスラエルの言論統制に波紋を起こすことになるのかもしれない。

Israeli woman detained on military leak accusation(Yahoo News)

Israel gags news of soldier turned journalist under arrest

Free Israeli journalist Anat Kamm

イスラエル:最大紙が検閲制度に抗議

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