ショアーの日

ショアーという言葉を知らない人も多いと思う。ショアー(השואה)とはヘブライ語で「滅び」を意味し、ナチスのユダヤ人大量殺戮のことを言う。ホロコーストと言えばわかる人も多いだろう。1月27日は国連の定めたホロコーストの日となっているけれど、イスラエルでは「ショアーの日」として、独立記念日前日の戦没者追悼の日の一週間前に追悼の式典が行われる。

この日はクロード・ライズマンの映画「ショアー」を見ることにしている。長い映画なので毎年少しづつ見ている。そして、毎年思うことは、何千年にも及ぶユダヤ人をとりまく歴史はなんて過酷で、そして、ユダヤ人は、人々の言葉にはあらわすことのできない人間の負の感情のはけ口となってきたのだろう、ということ。

日本でも戦争を語ることができる体験者が少なくなっているように、イスラエルでもショアーを語ることができる人は年々少なくなっている。イスラエルと言う国が、どうして建国されたのかを知るには、ショアーを知らなくてはならない、そして、後世に語り伝えていかなければならない。しかし、先日の夕方からショアーの追悼が始まる中、公園でBBQをしてお祭りのように騒ぐ、常識を知らない若いユダヤ教徒がいることも報道されている。イスラエルに移住してきているユダヤ教徒の中には、ホロコーストを経験していないアラブ諸国系(ミズラヒィ)もいるが、イスラエルにいる以上、ショアーについて知らなければいけないし、知る義務を負っていると思う。

そして、同じことは日本でもいえるのではないかと感じる。「広島・長崎」はもちろんのこと、戦争のこと、日本軍の戦争での行為、徴兵された人々のことなど、多くのことを知り、語り伝えていかなければいけないと思う。私は小学生の時、先生が教室においていた本を手にとって読んで、衝撃を受けたことがある。日本軍の731部隊について書かれたその本は、今思えば森村誠一の「悪魔の飽食」だったと思う。もちろん小学生の私が全てを読めるはずもなく、ただ、731部隊という人体実験をする部隊が日本にはあったということが、強く頭に刻まれたように思う。それがいいのか悪いのかは別として、それ以来、戦争について知ることに興味を持ったのも事実だ。毎年の読書感想文では、原爆の本を一冊は読んで感想文を書き、「わだつみのこえ」を読み、戦争を体験していない私達は、こうして戦争とは何かを知っていくことが大切だと感じるようになった。

レゲヴのおじいさんは、両親をショアーによってなくしている。それを語るおじいさんも、語らせることも辛いことではあるが、伝えていかねばならないと思う。こうしてイスラエルで生活している以上、私もショアーについて、ユダヤ人とそれを取り巻く歴史について知るべきだと思う。聞いた話だが、イスラエルに長期滞在を目的で来る若い日本人で、ユダヤ人のことも、ホロコーストのことも、どうしてイスラエルが建国されたのかも、ナチスという言葉すらわからない若者がいるという。遠い異国の歴史ではあるが、日本を一歩でたならば、日本人として知らずに恥をかくことがない程度の知識と教養は必要だろう。

ショアーによって亡くなった人々を追悼するサイレンと共に、二度と同じ悲劇が繰り返されないことを祈りたい。

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