VISAの話

結婚後のVISAについてのお話。
結婚したからといって、簡単にイスラエルの身分証明書がもらえるわけではない。
サイプラス結婚または日本国内で結婚した場合、
イスラエル入国時に、ほとんどのケースが一ヶ月のVISAとなり、
イスラエル内務省へ行かなければならない。
内務省へは、婚姻証明書を提出し、750シェケル(2万円)を払い、
そして、3ヶ月の観光VISAを得る。
なぜ観光VISAかというと、猶予期間かつ必要書類準備期間のようなものだ。
私の場合、必要書類としては、日本での犯罪証明書を用意しろ、ということ。
もちろん犯罪歴はないし、あったら入国できないだろ!と思ったが、
日本大使館へ問い合わせ、犯罪証明書を用意してもらうこととなった。
生涯初めての「両手指紋取り」をし、多少の犯罪者気分を味わい、
その指紋が警察庁へ送られ、約2ヵ月後に判定書が送られるということ。

このように何かと書類の準備をしなくてはならず、3ヶ月の観光VISAとなる。
日本から初めてイスラエルに入り、異国の地に慣れるためには良い期間だろう。
しかし、私にとってはなんとも長い、無意味な猶予期間だった。
この間、とにかく何もできない。
労働VISAもないので働けない、旅行者の身分なので何もできない。
保険にも入れない。改宗もできない。
大使館から連絡が来るのを一日一日と、待つ日々。

そして先日、約2ヶ月半かかって、犯罪証明書が日本から届けられた。
即刻、その犯罪証明書を内務省へ持参し、改めてVISAの更新をする。
今回のVISAは、労働VISAを含む6ヶ月間の特別VISA。
イスラエルでの身分も、レベルアップといったところ。
6ヶ月後には、再び内務省へ行き、仮身分証明書が支給される予定。

もちろんユダヤ人であれば、このような手続きは一切必要ない。
これらの手続きを、5年間続けていくことを思うと、
やはり、改宗してユダヤ人になってしまうことのほうが早い気がする。
内務省での手続きは、行って5分で終わるというものではない。
毎回、早朝に順番待ちの札を得るために2時間前から待ち、
たとえ3番の札を取ったとしても、2時間待つことだってある。
散々待たされて、順番がまわってきても、
担当者の気分でVISAがもらえないことだってある。
そんな理不尽な対応に、忍耐で堪えなければならないのである。

だからといって、改宗が簡単なわけでもない。
しかし、ユダヤ人の国であるイスラエルは、ユダヤ人であることで、
すべてがすんなりすすむのだ。
こうして新たなVISAを手にした今、物事が多少運びやすくなるため、
再び改宗にも挑戦する予定だ。
仕事も得たいが、改宗もしたい。
改宗が運良く始まると、仕事を今すぐに得ることはできなくなる。
仕事を運良く得ると、改宗がやりにくくなる。
そんなジレンマを抱えて、今は来るべき時を待っている。
仕事が先か?改宗が先か?

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キプロス島結婚

6月9日、サイプラス(キプロス)結婚。
早朝7:30発のため、北の果てのキブツからは夜中の2:00に空港へ向けて出発。
約2時間の運転後、テルアビブ空港に到着し、チェックイン。
今回は、旦那となる保護者とその家族が同伴なので、すんなり通過。
サイプラスに到着すると式まで十分な時間がない、と聞いていたので、
私の場合、ベングリオン空港にて念入りにお化粧を始める。
(すでに化粧の仕方を忘れるくらいに、長きにわたり化粧をしていなかった)
そのあいだ、家族達はDUTY FREEに大忙し。

約40分間のフライトで、サイプラスに到着。(機内ではジュースのみ)
ガイドが到着ゲートで待っており、そのままLanakaの市役所まで直行。
市役所に入り、書類に必要事項を記入すると、私達の順番まで待ち。
その日は4組のカップルが結婚式を挙げた。

式はLanakaの市長によって、市役所の一室で挙げられる。
市長は大きなメダルを首から下げ、なんとも慣れた感じだった。
指輪をテーブルの皿の上に置き、立会人が二人寄り添う。
(私は彼の両親が立会人となったが、同伴者がいない場合は役所の人が立会人となる)
市長により式は進行し、3枚の契約書にサインをし、指輪を交換。
これによって正式に二人は夫婦と認められる、と市長が感慨深そうに説明する。
その間、BGMはもちろん結婚マーチ。
およそ15分間ほどですべてが終了し、最後に市長と共に「ハイ、チーズ」。
Lanakaでは、結婚記念の盾をもらい、契約書類を作成してもらうためのチップを、
20ポンド(約5000円)払った。
書類は後日ホテルへ送られるということで、その場を後にする。
以上がサイプラス結婚である。
その後はLimasolのホテルに3泊し、サイプラス観光を楽しむ。

帰国便はサイプラス夜10:30発、キブツに帰りついたのは夜中の3時だった。
疲れているのか、結婚で興奮しているのかわからない気持ちで、
なんとなく不思議な気分を味わった、サイプラス結婚だったが、
無事すべてが終わり、こうして振り返ってみても、良い式だったと思う。
簡潔・簡素、まさにシンプルの一言に尽きた。

VISA問題

再びVISAについての話題。
二人の非ユダヤ人のULPAN学生が、VISAがないという理由でキックアウトになった。
一人はアメリカ人の女性、もう一人はスウェーデン人男性。
二人ともそれぞれの国からULPANでヘブライ語を学ぶために9月に到着し、
12月にVISAの申請をし、VISAオフィスからの返事を待っていた。
ところが、先日、警察が彼らを捜しにキブツまできて、なんと留置所に入れたのだ。
彼らは犯罪者でも、不法労働者でもない。
学費を払って、ULPANでヘブライ語を勉強している善良な(身分は)旅行者だ。
たった今はVISAの申請中で返事待ちのため、VISA自体はないが、
それが留置場で半日であれ、尋問する理由となるだろうか?
ULPAN責任者は、ただ動揺するだけで彼らのために何も手助けをすることはなかった。
いや、警察に協力したようなものだった。
(空港行きのタクシーを用意したくらいだ。彼らに何の時間も与えず)
そして同時にVISAのオフィスから、即刻出国要請の手紙が届いた。
彼らはなんとか警察から解放され、キブツに戻り再度VISAの手続きを試みた。
しかし、勿論返事はNO!
ULPAN責任者も警察の書類に、彼らを出国させるサインを済ましてしまい、
彼らに何の猶予も与えなかった。
アメリカ人の女性(20歳)は、「イスラエルに恋をしてしまった・・・」と、
この国との関係をこれから考えようとしている最中での出来事だった。
(彼女はこの出来事をアメリカで訴訟すると言っている)
スウェーデン人の男性(19歳)はユダヤ教に改宗することを強く願う宗教家で、
改宗についてのプロセスを模索中だった。
二人とも非ユダヤ人であり、尚且つイスラエルに魅せられてしまった若者達だ。
それは私も同様であり、心中は痛いほど伝わってくる。
二人ともイスラエルが好きだからゆえに、今後のことを考えて、
この狂った全ての応対を、受け入れ、本国へ一時帰ることとなった。

しかし、どこにこの全ての出来事を理解できる点があるだろうか?
このULPANには私を含め6人の非ユダヤ人がヘブライ語の学習をしている。
私と他一人は、違う地域のオフィスでVISAを得た。
他4人は全く同じ条件にも関わらず、(同じオフィス)
二人はVISAを得、二人は留置所送りになりキックアウト。
ULPAN責任者は、非ユダヤ人については無関心と言ったほうが正しい。
なんとも無責任な話である。
受け入れるけど、VISAについては約束できない、
何かあったときには、責任は非ユダヤ人のあなたが取ってね。
私は長く滞在しているだけに、この国の状況に慣れている。
非ユダヤ人に対する扱いもわかってる。
ゆえに、自分自身で責任を取るしかないこともわかっている。
しかし、彼らは初めてイスラエルを訪れ、2個目のVISAを申請しただけなのだ。
ボランティアであれば問題なく6ヶ月VISAを取得できるのに、
なぜヘブライ語を学習していると言うことで、留置所にまで入れられるのか?
VISAの種類はボランティアとなんら変わりないのである。
この地域を管轄しているVISAオフィスの悪魔が、この出来事の全ての根源なのである。
ULPAN責任者はこの出来事に懲りて、今後、非ユダヤ人は取らないことを決めた。

いったい、この国はどうなっていくのだろう?
どれほどの敵を世界中に持てば気がすむのだろう?
イスラエルを愛し、この国のために何かしたいと思っている若者を、
非ユダヤ人だからと言うことで、これほどの仕打ちをしている。
私はこの国が好きだ。この出来事は幸いにも私には起こらなかった。
しかし、いつ起こるとも知れないのだ。
胸が締め付けられる思いがする。

VISA取得への苦難

先日、多くの人の手を借りてようやく3ヶ月のVISAを取得することができた。
それまでの経緯を説明しよう。

10月24日に私の2つ目のVISAが切れたが、
内務省のストライキのために、1ヶ月間VISAの更新ができなかった。
ストライキ終了後、即日すべての必要な書類を備えてオフィスへ行き、
ULPANでヘブライ語の勉強をしている事、ULPAN終了後、改宗予定であること、
そのためにVISAが必要であること、などを説明した。
手紙で返事を送るので待て、とのこと。
10日後、手紙の内容は、VISAが切れていることを理由に即日出国要請だった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あまりのショックに、声もなく、ただ納得がいかないばかりだった。
すでにULPANの授業料とVISA代を払い、後2ヶ月学習が残っている。
何の理由でこの国を追い出されなくてはならないのか?何が問題なのか?
誰もがこの返答に理解できなかった。
ULPAN責任者も再度説得を試みたが、返答は同じだった。

内務省は地域ごとにオフィスがあり、その地域を管轄している。
ULPANの地域を管轄しているのはAFULA(アフラ)のオフィスで、
そこには悪名高きVISAの担当者が働いており、特権乱用のナチのような女である。
どれほどの人々がこの女のために人生を困難にさせられているかわからない。
この女の返答によって、私はヘブライ語の学習も続けることができず、
尚且つ、もしイスラエルを出国したら、再度入国できないかもしれない・・・
というリスクを負ってしまった。
私は不法労働者でも、不法滞在者でもない。
VISAは切れたが、それはストライキのために更新不可能だったからだ。
一時は全てが不可能に思えた。VISA取得も改宗もイスラエル滞在も・・・
しかし、ここからがイスラエルである。
私は急遽私の住所としているキブツに戻り、そのキブツを管轄しているオフィスで、
VISAの更新を再度試みることにした。
キブツからの推薦状、ラバイからの推薦状、そしてすべての改宗に関する書類を携え、
AKKO(アッコ)のオフィスへ駆け込んだ。
担当してくれた女性曰く、
「改宗希望者は書類さえすべて整っていれば、
改宗にいたるまでのVISAを問題なく取得できる。」
というのだ。
この違いは果たして何なのか?
出国要請の返答をしてきた女にも、同じ書類を渡しており、改宗の話をしているのである。
AKKOの担当者は、AFULAの女が送りつけてきた手紙を見て、理解不能だといっていた。

これがイスラエルである。
すべてのことが、その担当者・人物によって違うのである。
だから何一つ確かなことがいえないのである。
それが国の機関である内務省で行われ、どれほどの人生を左右しているか知れない。
現在イスラエルも不法労働者・不法滞在者の取り締まりに非常に熱心になっている。
タイ・中国・フィリピン・東欧からの不法労働者が強制退去されている話をよく聞く。
彼らにとって、外国人(非ユダヤ人)特にアジア人は、皆不法労働者なのである。
正統に滞在しようとしている人間との区別はないのである。
私の場合、AFULAの女がすべての悪の根源だった。(実際悪名高く・有名)
ともあれ、幸運にもVISAを取得することができ、改宗への望みを得ることができた。
このVISAの更新が最後の更新になることを、心から願わずにはいられない。