キブツ

(2001年記述)

キブツ(KIBBUTZ)とは?
これについては、各種参考文献やイスラエル大使館のホームページなどで調べてほしい。

言葉で「農業共同体」と言っても、理解できることはほとんどない。
そして、現在のキブツは年々変化しており、
「全て共同所有・平等」という形を維持している所はないであろう。
ここからは、全くの個人的見解からキブツのススメをしたいと思う。

なんと言っても、心の平安・自由・自然がある。
それは、日本での日常を経験しているからこそいえることかもしれない。
確かにキブツは閉ざされた空間であり、ひとつの村組織のように、
その中でしか通用しないことや、私たちの日常的感覚が麻痺するところでもある。
全ての人々が顔見知りであり、ご近所であり、
キブツから一歩もでなくても、生活していくことができる。
全く、不思議なところ・頭が豆腐のようになってしまうところである。
日本でストレスの塊のようになった人間にとっては、キブツほど安らげるところはない。
キブツニーク(キブツで生まれ・育った人間)に言わせれば、

「キブツはつまらなく、刺激がなく、プライバシーもなく、
一生をここで生活するなんて考えられないよ。
でも、年をとってからは又キブツで生活したいね。」と、言う。

現在、若いキブツニークは兵役が終わるとそのほとんどが、
いわゆる「普通の生活」を求めてキブツを去っていく。
しかし、週末には、そして数年後には、再びキブツに戻ってくるのである。
キブツほど、平和に人間らしく、安らかに生活できるところはないからである。
「普通の生活」において生じる、煩わしさ・人間関係・社会的葛藤からの逃避かもしれない。

現に、私はそうだった。全てから逃れ、ただ安らぎを求めて二度目のキブツを訪れた。
そして、キブツで一生を過ごしたいと切望する。
若いキブツニークからは、「信じられない。日本ほどいい国はないのに・・・」
と言われるが、それはお互いが「ないものねだり」なのだと思う。

物質的不自由のない日本で生まれ育ち、自由の中での囚われの身となって、
何が本当の意味での自由と安らぎなのか?を求める私と、
精神的な自由と安らぎが当然のキブツの中で生まれ育ち、
外界の刺激的・物質的自由を求めるキブツニークとは、
根本的に意見の相違があって当然である。

に、しても・・・・
キブツは私にとって楽園にも等しいところである。
現在は、多少の不便はあるにしてもキブツの外には自由に出ることも、
町に買い物に行くことも普通のことである。
キブツの中は緑豊かで、芝生が敷き詰められており、ある人は裸足で歩き、
行き交う人々は言葉を交わし、世界一幸せな犬達が駆け回り、
急かされることもなく、仕事が終わればのんびりと自分の時間を過ごし、そして、日が暮れる。
そんな単純な日常である。きっと、この単調な日常に耐え切れない人もいるだろう。
それはそれである。
この単調で、変化に乏しい日常を楽しむことができた時、
もう、あなたはキブツから離れられなくなっていることだろう。

ボランティアについて
キブツはボランティアにとっての天国・楽園・極楽浄土。始めの一ヶ月は、
この非日常に慣れるための試練期間。
その後は、誰もが超リラックス・モードで楽しむのみ。

世界中から・・・と言っても過言ではない。
(キブツによっては、好みが偏る場合もあるけれど)
西欧・北欧・北米・南米・極東・南ア・トルコ・・・・・東西南北人種問わずである。
その中で一番顕著なのは、南アと韓国人。そして、集団でやってくるのが、北欧組。

前者は、キブツを足がかりにイスラエルでの労働をもくろみ、
後者は、輝く太陽を求めてバカンスである。
その他は、旅の休憩であったり、海外生活体験組であったりする。

その魅力は、なんと言ってもお金がかからないこと。衣・食・住が提供され、
単純労働のみ、お小遣い付きである。
それならば、危険を顧みずちょっと行ってくるか・・くらいの価値はある。

ほとんどのボランティアが18歳~20代前半で、
高校卒業後や大学の長期休みを利用して来ている。
そのため、秩序がない!みんなが好き勝手、やりたい放題で、毎日がドンちゃん騒ぎとなる。
多いところでは100人のボランティアがいたりするので、ボランティア専用パブがある。

此れはあまりいただけない。(個人的にね)
もし、交流をもつことが目的ならば(大方そうであるが)
20人ほどのボランティアが限界である。
そういうキブツの方が、ボランティア同士の仲も深まり面白い。

パブで週末はみんなで楽しみ、酒を飲み笑い語り踊る。
そして、二日酔いの顔で昨夜の出来事をまた語るのである。
マンネリな日常生活・週末のパブではあるが、それだからこそ、
世界中から習慣も言葉も通じないような人種が集まり、
理解しあうための貴重な時間となるのである。

会話は100%英語。世界中の英語を聞くことができる。
2・3ヶ月居ると、片言のヘブライ語を使いたがるようになり、
あちこちから、変なヘブライ語が聞こえてくるようになる。

人種の壁を越え、言葉の壁を超え、男女の壁を超え?認識の壁を越え、
様々な壁を乗り越えて、世界中からの若者達が交流するのである。
面白くないわけがない!!!
何事もチャレンジ!と思っている方、是非一度お試しあれ。

 

ボランティアでの英語問題 
ゲストとして古巣に滞在している間の、顔ぶれも新たなボランティアとの交流で感じることは、
楽しむためには、努力を惜しむな!ということ。

ボランティア生活でよく眼にする光景は、自国の集団を作ってしまい楽をすること。
英語力の乏しい東洋人は、会話についていくことができないと判断すると、
自分自身でボランティアとの間に壁を作ってしまう。
英語で不自由なく会話をし、不平不満を言うことができる西洋人にとっては、
英語を操ることができない人との交流は、面白みに欠けるし、疲れることだ。

しかし、彼らも私たちの努力をちゃんと見ているのだ。
会話をする努力をしている人、しない人。
それによって、彼らの対応も大きく違ってくる。
ただ、笑っているだけの東洋人ほど、不気味なものは無い。

分からなくてもいいじゃないか。分からないなら分からないとはっきりと言おう。

一日一言の会話や、10分間ボランティアの輪にいるだけで、
会話の上達は大きく差が出てくる。
そして、彼らから、一日一言の英語を盗み取ればいいのだ。
ほとんどの日本人が英語に自信の無い人だと思う。実際、使う機会もほとんど無い。

キブツでは、まさに今まで勉強してきた英語を実践することができ、
言葉の通じる喜び、楽しみを実感することができるのだ。
中には最初にショックを受けてしまい、恥ずかしくて英語を使わなくなる人がいる。
本音は喋りたいけれども、とにかく怖い。ということらしい。
そして自国の仲間とばかり会話をし、まるで異星人のように思われてしまう。
他のボランティアは交流しようとしても、部屋に閉じこもり、眼もあわせなくなる彼らを
どうやって理解することができるだろうか?
結局は、お互い無視しあう、という悲しい結果になってしまう。

そういう私だって、怖かった。
みんなの輪の中に入っていくこと、会話をすることに、どれほどの勇気が必要だったことか。
会話の主導権は勿論取れない。何を話しているのかさえ分からない。
「お願いだから、私に話しを振らないで・・・」と、ドキドキしていた。

アドバイスとしては、誰か一人、会話のできる相手を作ること。それが一番の方法だと思う。
次第に耳が慣れてくるし、会話もしやすくなってくる。最初の度胸が肝心ということかな。

あきらめずに、どんどん輪の中に入っていこう。恥をおおいにかこう。

自分の壁を打ち破って、世界中の若者と楽しもうよ。
きっと、新たな自分の魅力を引き出すことができるよ

 

キブツのQ&A

Q.イスラエルの郵便事情は?
かなりOKです。イスラエルー日本間では、早くて7日、遅くとも10日で郵便物は届きます。
不信物(ナイフや電化製品)などが入っていると、郵便局に止められ、
「受け取りに来い」という手紙が届きます。
とにかく、安心して手紙や小包を送ることができます。

Q.ボランティアに年齢制限あり?
公には32歳まで、となっているが、関係なし。もちろん50歳の人は??だが、
現在のボランティア不足の状況から、年齢に関しては全くこだわっていない。
今までに会ったボランティアでは42歳が最年長。

Q.KPCって何?
Kibbutz Program Center (KPC)は、キブツのボランティアを運営している組織です。
ほとんどのボランティアがKPCを通して、キブツへやってきています。

Q.キブツには最長どのくらい滞在できるの?
VISAは3ヶ月ずつ更新される。キブツに滞在していれば、6ヶ月は確実にVISAが取れる。
その後のVISAについては、キブツによって取得できるかどうかが違ってくる。
私の知る範囲では、キブツの最低滞在期間は2日間。
キブツが合わないといって、2日でキブツから出て行った人がいる。
滞在期間は規定があっても、ないようなもの。
長期滞在希望者は、キブツの人と仲良くなって、VISA取得を協力してもらうようにしよう。

Q.インターネット状況は?
もちろんOK。すべてのキブツがボランティア用にPCを用意している。
使い勝手はキブツによるが、ほぼ問題なく使用できる。
キブツによっては、高速接続もある。尚、デジカメ等もカメラ屋さんでプリントアウトできる。

Q.キブツでの仕事はどうやってきめられるの?
大いにわがままになるべし。これがやりたい、これはやりたくない、とはっきりと言おう。
もし、始めた後に変更したいならば、それも遠慮なく言おう。これが、キブツでの生きる道。

Q.キブツニークは何してんの?
老人・子供ばかりが目立つキブツ。いったい他の人々は何をしているかと言うと、
ダイニングルームやランドリー、工場、畑、キブツの運営・管理、
その他もろもろのことをして、一応働いています。
でも、結局は給料がもらえないのだからのんびり・マイペースの働きぶり。
あまり一生懸命に働くと、「ゆっくりとゆっくりと」なんて言われます。
日本とは大違いだよね・・・・

Q.キブツでの恋愛って?
若いキブツニークにとっても、「出会い」はなかなか大変なこと。
兵役中に彼女・彼氏を作るのが一般なのだろうが、
キブツにはなんと言っても世界中から来る、開放的なボランティアと言う存在がある。
ほっとくはずがない。
そして、彼らは後腐れなく数ヶ月で去っていくのだから、これほど便利なものもない。
しかし、本気になってしまった二人にとっては、愛の悲劇の始まりである。
距離というものが、どれほど恋人同士にとって苦しいことか、想像するに難しくはないだろう。
どちらかが決断できるだけの強い関係でないと、別れは決定的になる。
・・・と言っても、どれほどの人が本気で恋をしているのか疑問であるが・・
「短期集中型恋愛ごっこ」をしているキブツニークにとって、
一つ二つの恋の終焉はなんてことはないのです。

Q.FREESEXって、マジ!
ある意味、マジです。ボランティア同士・キブツニーク、お好きなものをどうぞ・・・
と言って、大きな誤解を招きそうだが、
キブツに入って初日、念入りに血液検査をするキブツもあるし、
フリーコンドームが支給されたりするキブツもあるので、容認されていると言ってもいいだろう。
もちろん、各個人の倫理と道徳心の範疇でである。
ある北欧の国では、FREESEXが常識、なんて考え方もあるくらいなので、
あまり、深くは考えていないボランティアの方が多いのでは。
それ目的での、不届きな奴もたまにやって来る。
FREESEXと言う言葉を、どのように捉えるかで考え方は違ってくるが、
全ては個人の責任において、行われていることであり、
他人がとやかく言うことではない!と思うがどうだろうか?

Q.ヘビースモーカーになる??
なりますよー。タバコを止めていた人でも、いつの間にやらモクモクさせてる。
果樹園なんて、タバコを吸っていないと犯罪者のような言われよう。
それは、間違っている・・・絶対に。
世界の禁煙ブームとは明らかに逆行している所。なぜ、そうなるのか。
それは・・・・暇だからです。それと、有り余る開放感のせいかな?
キブツ・タバコ「ノブレス」(あえてキブツタバコと言いたい)
イスラエルで一番安いタバコ(150円位)で、まずい。
一ヶ月吸い続けていると、のどがやられます。(私もやられた)
でも、キブツではやっぱりノブレスが一番似合うんだな。

Q.レバノンが見える??
見えるなんてものじゃない。
50メートル先、そこはレバノン。黄色いヒズボラの旗がはためいている。
イスラエル兵とヒズボラが鼻先でこんにちわ。
キブツにもよるけど、北のキブツは国境沿いに多くあるので、
柵の向こうは「レバノン」と思って下さい。

Q.クリスマスも正月もなし??
なしです。なんてたって、ここはユダヤの国。
憎っくきキリストの誕生を祝うなんて・・・そんな感情は全くないですが、
それでもクリスマスを祝うというのはお門違い。
キリスト教ゆかりの地では多くのイベントが催されますが、キブツでは平常どうり。
ちなみに元旦も平常どうり。
ボランティアには特別休暇が与えられるけど、日本や世界の年末風景とは雲泥の差で、
ボランティアも急激に減るので寂しいものです。正月気分の唯一味わえない国でしょう。

Q.キブツセクシーTシャツ??
なぜかはわからないが、
キブツの若者はみなTシャツの襟首を大きくカットし、半肩出している。
正直だらしない格好なのだが、やってみるとこれがなかなか心地良い。
誰も気にしないからというのも理由だが、これがイスラエルでは
「キブツファッション」として定着しているらしく、何でもだらしなく着崩すというのが定義。
そのまま町へ出るにはさすがに抵抗があるのか、お出かけ時には普通の格好に着替える。
小耳にはさんだところでは、この「ダラダラキブツファッション」は、
普通の生活(キブツ以外での生活)をしている人達の、キブツ風刺ネタとして、
物笑いの種にされているそうだ。
ここにも、キブツの生活の自由さと開放感を感じるのだが、
単に緊張感に欠けているだけなのだろうか??

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