パレスチナ政府の腐敗

日本を訪れ、広島を訪れたパレスチナ政府のアッバス議長が語った言葉は「平和のためには世界からの支援が欠かせない」だったが、その世界から送られている支援金は、どうやらパレスチナ政府の高級官僚たちの私腹を肥やすために使われているようだ。

先日イスラエルのチャンネル10で、パレスチナ諜報員が6年間に渡って調査してきた各国からの数百億の支援金の行方についての報告書が報道された。チャンネル10へ情報を流したパレスチナ諜報員によると、アッバス議長の依頼により、支援金の行方を6年間に渡り調査し、支援金がパレスチナ政府の高級官僚たちによって、自由に銀行口座から引き出され、横領されている可能性があるとアッバス議長に報告したが、アッバス議長からは何も反応がないまま黙殺されているという。また、諜報員の撮影した隠しカメラには、アッバス議長の親族である官僚が、面接と称して女性をベッドで待つ一部始終が撮影されている。

果たしてこの諜報員の持ち込んだ情報が、すべて正しいかどうかは定かではない。しかし、世界各国から得ている支援金がどのようにパレスチナで使われいるのか、私達には情報としてなかなか伝わってくることはない。このように私腹ばかりを肥やす高級官僚はどこにでもいる。パレスチナも然りだろう。この報告書が真実であれば、調査を依頼したアッバス議長も、援助している世界の国々に面目が立たない、となれば、黙殺するのが一番である。

この諜報員(פהמי שבאני תמימי)はアラブの有力メディアへこの情報を持って行ったが、どこも(何かを恐れてか)相手にしなかったという。そして、チャンネル10に自らを公表して情報を流した彼曰く、身の危険を感じてすでに自分の墓も作ってあり、そして2週間以内にアッバス議長がこのパレスチナ政府の腐敗に策を講じない場合は、さらにアッバス議長も知らない情報を公表すると言っている。

日本もパレスチナに多額の援助金をしている。その資金が武器調達や官僚による横領に使われている可能性について、日本の政府も調査をするべきなのではないだろうか。支援金があるべき姿でパレスチナの人々に行き渡ってこその援助である。

さて、アッバス議長はどういう行動に出て、この諜報員の行方はどうなるのか、今後のチャンネル10の報道を待ちたいと思う。

http://news.nana10.co.il/Article/?ArticleID=698503 (ヘブライ語)

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パレスチナ政府の腐敗」への2件のフィードバック

  1. ・・・もぉ~、訪日のこの時期にすごい話題ですね。北海道新聞のアッバス訪日、広島訪問を読みながら(しかし日本では国際面がもっとも新聞で読まれないらしいです)、やるなアッバスと思っていたんですよ。広島まで訪問したんだってね。それは自分のBlogでは触れませんでした(熱く語ると文章が長くなるから・・)

    Keikoさん、自分のBlogでも強く!紹介したいのでKeikoさんのこちらの文章をお借りしたいと思います。ヘブライ語ができない私には限度がありますから。確かにそれが真実なのかどうなのかそれを見る人の判断となるでしょう、しかし、この話題は私のBlogを読んでくれているイスラエルに興味のある人々にも知ってもらいたいと思います。

    • ちょっと日本語で調べてみましたが、やはりこんなスクープは日本では紹介されていないですね。ちなみに、イスラエルでもチャンネル10以外は報道していません。それだけ信憑性が薄いってことなのかもしれません。とりあえず、チャンネル10でスクープされて依頼、アラブ社会では話題になっているようです。「どうしてアラブの報道ではなく、イスラエルを通しての報道なのか?パレスチナの恥だ。このパレスチナ諜報員はスパイだ。セクハラ官僚は辞職するべきだ・・・」等々、パレスチナ政府にも、諜報員にも、イスラエルにも、怒りの矛先が向いていると、報道されていました。リンクしたヘブライ語の記事を英語変換して読んでみてもいいですし、もちろん、私の記事を使ってもいいですよ。今後もこのスクープは追って行きたいと思います。